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執筆者の写真Yasushi Noro

『プチ・ニコラ』(04)

« Le football » Sempé-Goscinny, Le Petit Nicolas, Editions Denoël, 1960, < folio >, pp.30-31.


題名は,英語footballから借用されたフランス語.今のフランスでは国民的な人気を誇る「サッカー」です.今回は,サッカーをしようとしたけどできなかったニコラたちのお話です.いつものニコラたちのゴタゴタぶりからすれば,みんなで2チームに分かれて,審判を割り当て,キャプテンを選び,ポジションを決めて,さぁキックオフ!とはならないことは十分に想像できるところです.

 今回のサンぺの絵は5枚.珍しく,3人までは容易に特定できます.まずホイッスルを吹いているのは,<当然>「お父さんが警察官のリュフュス」に違いありません.だって,ホイッスルを持っているのは唯一人ですから.最初に審判に選ばれたアニャンはリュフュスにホイッスルを貸してくれるように頼むのですが,一家のお宝のホイッスルをそうそう易々と他人様にはお貸しできません.仕方ないので,アニャンが合図したらリュフュスがホイッスルを鳴らすことに.まずは最初のゴタゴタは解決.

 次の絵にはニコラたちが颯爽といつもの空き地に入場してくるところが描かれています.そういえば,私が子供の頃にも,こんな広くて,ドラム缶やら工事道具やら空き缶やらが落ちていて,公園のように整備されているわけではないけれで,みんなで集まって遊べる場所があったような.微かな記憶があります.

 みんなで整列して颯爽と入ってくると,何だか指揮がとれていてやる気満々な気に満ちているように見えます.が,結果はすでに書いた通りです.


メクサンやウード,ジョフロワなどいつものメンバーがごねて,わがままぶりを発揮して全然始まらなくて,「おやつの時間」には帰りたいアルセストが「いつ始めるんだ!」とキレて,リュフュスは案の定アニャンの言うとおりにホイッスルを鳴らしてくれず泣き始める・・・



 そんな風にいつもの調子で物事が進まないのですが,みんなが取っ組み合いの喧嘩をするシーンは文章には描かれていません.ウードはいつものように,かたっぱしから友達の鼻を殴ってはいたようですが.

最後の絵はジョアシャンJoachin(映画では「ジョアキム」でした).くじ引きをしようと,ジョアシャンのコインを借りるのですが(コインの裏表で,と言うあれです),何せ草ぼうぼうの空き地ですから,2回とも落として無くしてしまう.それでお話の間中,ジョアシャンは大切なコインを探し回ることになります.



もちろん,一緒に遊んでいた「パパがお金持ちで欲しいものはなんでも買ってくれる」ジョフロワが,後でパパの小切手で弁償するよと申し出はするのですが.





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