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『「プチ・ニコラ」大全』(76)

  • 執筆者の写真: Yasushi Noro
    Yasushi Noro
  • 2月14日
  • 読了時間: 2分

Aymar du Chatenet, La Grande histoire du Petit Nicolas Les Archives inédites de Goscinny et Sempé, IMAV éditions, 2022, p. 30-31.


「描き始め」

サンペ


 サンペはずいぶんと小さい頃から絵を描き始めたそうです.でも最初はユーモア・デッサンというより,カリカチュア(風刺,諧謔)やマンガでした.サンペは自分では絵が下手だと考えていたのですが,えんぴつの先に,なんとかかんとかやってゆくための方策があるように予感していたとのことです.


ゴシニ


「私はずっと,人を笑わせたいと本気で考えていました.人を笑わせる仕事について考えていて,あるとき思いつきました.始めるならデッサンだ.デッサンは一番直接的で簡単だ,とね.」(p. 31)


 ゴシニにとって,学校時代はネタに尽きませんでした.ゴシニは後年,『ピロット』という雑誌を創刊するわけですが,ブエノス・アイレスのフランス語学校時代には,『カルチエ・ラタン』という名の学生の発行する雑誌がありました.その雑誌の表紙絵や,デッサンのほとんどを墨で描き,ときに文章や説明文をつけていました.雑誌からは,「チョークとチョコレートの匂いが合わさる,子ども時代の香り」(p. 31)が漂うそうです.先生やクラスメートを模写し,ユーモアを交えつつ,悲喜交々の学校生活を描きだしていたとのこと.以下は「学校時代の回想」と題された1944年の記事からの抜粋です.


「20行写しなさい.それから,否,教科書の1ページを写すんだ.否,一章まるまるだ.いやいや,やはり居残りだ.それとも,いやむしろここから出てゆきなさい.君は退学だ.校長室へ行きたまえ!!!」


 他に情報がないのですが,この抜粋,ゴシニが1944年に書いたものなのでしょうか?それとも,誰かの回想録なのでしょうか?いずれにせよ,当時の学校はこんな感じ,という雰囲気を知るための材料として引用されているようです.今ならパワハラとかアカハラとか,なんとかかんとか言われて,先生もこんな毅然とした態度をとることができませんなぁ(たぶん).でも確かに,子ども時代の先生の印象は,こわくって理不尽.それを茶化す目をすでに持っていたのなら,やはり偉くなる人は違うとひたすら感心します.



 本節は短いですが,次回からは新たな章に入り,いよいよ二人の作者が出会うことになります.

p. 31 子ども時代のゴシニの絵
p. 31 子ども時代のゴシニの絵

p. 30 子ども時代のサンペの絵

 
 
 

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