« Le football », t.II, pp.81-86(pp.66-86).
さて1週間が経ち,またもや日曜日が来ました.「後半戦」です.3対2で,ニコラたちのチームがリードしていますが,油断は禁物.油断しすぎると・・・?!という内容のお話です.今回も9つの段落に分かれ,(ほぼ)それぞれに絵がついています.先走りして,最後のページの絵を見てしまったあなた!やっぱりこうか・・・と思われたことでしょう.未だ見ていない,その他の方々,知ってください.これは『プチ・ニコラ』なのです.一筋縄ではいかない超娯楽大作なのです.サァ,いざ!
まず目に入ってくるのは1枚目の絵(通算17枚目)です.↓ ニコラのパパはホイッスルを構え,敵味方で握手して,いよいよ試合開始の緊迫した状況です.ふと,周りを見渡すと,しかし左右にいるのは応援の一団.それも試合に臨む子どもたちより遥かに大きな人たちです.エキサイトしています.誰?
1.↑ 要するに今回は子どもたちのパパが応援に駆けつけたのです.ニコラのパパが他の子のパパに電話をして,結果,フォーメーションと戦略に大幅な変更が加えられました.というわけで,パパたち勢揃いで作戦が練られます.予定通りいけば,5対2でニコラたちが勝つはず.お父さんたち,やる気満々です.
2.↓ 「空き地ではパパたちの声しか聞こえなかった.それで僕ら選手はイライラしちゃったんだ.」(p.82)
パパたちの白熱ぶりが伝わってきます.ニコラたちはサッカーどころじゃなくなっている様子です.そして次の絵↓をみると・・・
3.↑ あれま!パパたちが次々に服を脱いで,駆けてゆきます.向こうの方ではヘディングしている(誰かの)パパまでいます.
そうなんです.2.↑には,パスをミスしたクロテールがパパのビンタを食らい,プレーできないというと,クロテールのパパが責任をとって息子と入れ替わり,あとは羊の大群よろしく,ゾロゾロとパパたちが参加してきたと書いてあります.いったい,どうなるのでしょう?!スリリングな展開です.(でも,ニコラたちの試合は終わった・・・)
というわけで,3.↑「パパたちの間で喜びの武者震いがおきたんだ.」(p.83)
4.↓ それでニコラたちのパパ(たち)も,相手のパパ(たち)も,揃って子どもたちにパスやドリブルを教えようとし始めます.「あ〜なっとらん,こーやるんだ!」的な???
パパたちの様子を見て,口を開けて感心する子,顔をしかめている子,相変わらず物を食べている子(アルセスト)などなど.
5.↓ それでニコラたちは全員一致でクロテールの家にテレビを見に行くことにしました.柵の向こうで必死にボールを奪い合うパパたち,柵のこちらで嬉しそうに一目散に駆け出す子どもたち.対比がうまい!
6.↓ 試合開始16分後,ジョフロワのパパの蹴ったボールが空き地にたまったゴミに突っ込み破裂.「3秒間だけ議論して」,ボールの代わりに空き缶で継続することに決まりました.
7.↑と↓ 試合開始後,36分が経過.リュフュスのパパがハンド.ペナルティ・キックでニコラのパパたち1失点.これで3対3の同点です.(っていうか,子どもたちの試合をそのまま引き継いでいたのね・・・?)
8.↑ いよいよ残すところあと数分となりました.負けたら息子たちに何を言われるかわかりません.心配になってきました.それで,試合は悪化する一方.相手方は守りに専念し,空き缶(ボール)をとられまいと,両足をのせてしまう始末.その時です.リュフュスのパパがドリブルで2人抜き,見事ゴールを決めます.これが決勝点となり,見事にニコラのパパたちが勝利を収めました.
9.↓ それで最後の記念写真ならぬ,勝利者の集合の絵.奥の左から,メクサンのパパ,リュフュスのパパ(本日の英雄),ウードのパパ(左目を怪我),ジョフロワのパパ(汚れていない!)にアルセストのパパ(やっぱり何か食べています).手前左から,ジョアシャンのパパにクロテールのパパ,ニコラのパパ(左目を負傷.ぶつかったのはウードのパパ),そしてアニャンのパパ(もちろんメガネをかけている)となります.めでたしめでたし. それぞれのパパが子どもの特徴を引き継いでいる(もちろん逆)のが,事細かに描かれていますし,ボールの代わりとなった空き缶まで出ているのは本当に芸が細かい!
ところで,「サッカー」.誰の試合でしたっけ?
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