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執筆者の写真Yasushi Noro

『プチ・ニコラ』(26)

« King », t.II, pp.50-57.


 「キング=王様」は「先週木曜日に見た,カウボーイの映画に出てくる白い馬の名前」で,「すっごく走るのが早くて,カウボーイが口笛で合図するととんでくる」やつ,ではなくて・・・,ニコラが池で捕まえたおたまじゃくしにつけた名前.白馬の「キング」のように,「カエルになったら口笛の合図でとんでくる」んだという希望的観測か願いを込めています.そうなるといいですね.ま,「とんでくる」かわりに跳ねてはくれるでしょう.

 ところで,挿絵を楽しもうとほぼ週一で書いているこのブログですが,少し勘がついてきたと自負し始めた頃です.小さい絵を見ると即座に,きっと大きな挿絵の部分かなとか,抜粋だろうと考えるようになったのです.Hélas...この度は失敗でした.題名の上においてある1枚目は4枚目からの抜粋でしたが,2枚目の小さな絵は3枚目の部分かなと探したのですが,見当たりませんでした.慣れと思い込みは禁物.注意が必要です.


というわけで,これが2枚目.ニコラがおたまじゃくしをすくっている場面です.注意深く文章を読んだ人は,あれっ?と思ったことでしょう.ニコラたちは池におたまじゃくしをとりに行って,泥だらけで帰ってきたニコラはママンに叱られてしまいます.


「確かに僕はきれいどころではなかった.とくに僕は池に両腕を入れたときに,シャツの袖をまくるのを忘れていたんだ.」(p.55)


 絵を見ると,両腕は突っ込んでいないし,何だか,袖もちゃんとめくっているように見えますね.その代わりと言っては何ですが,あーーーー!マフラーが・・・あぁ,もうっ!ママンの気持ちがよくわかります.

 それで3枚目.みんな楽しそう.



 みんなで足を押さえたり,見せ合いっこしたり.アルセストはいつものように何か食べてます.でもそのアルセストも,将来のカエルを想像して,おたまじゃくしを見ながら思わず「舌舐めずり」してしまうのです.

 さて,リュフュスの提案で,大きくなるのを待ってみんなで見せ合いっこ(「競争」)することになり,ニコラも大事に持って帰宅します.道すがらつけた名前が「キング」.




 あ〜ニコラ,確かにドロドロ.さて家にたどり着くとママンは卒倒.叫んで怒って,パパに叱ってもらうことに.これが前話同様失敗の元.懲りない夫婦です.

 最後にはパパが折れて,おたまじゃくしを池に返しにゆきます.ここのところ,パパのお話にはなかなか説得力があって,感心しました.子どもをさとして言うことを聞かせるのがなかなかお上手.

 最後のオチは・・・池のガードマンが登場して,戻しにきたのが,今日で7人目とのこと.どの家庭でもお母さん(ママン)の反応は似たり寄ったり何ですかね.

 でも「7人」?3枚目の絵には,もっといるのです.冒頭に戻ると,


「アルセストとウードとリュフュスとクロテールと友だちたちと,僕ら池に釣りに行くことに決めたんだ.」(p.50)


 うーん,「アルセストとウードとリュフュスとクロテール」とニコラ.これで5人.あと二人は誰だ?たぶん,メクサンとジョアシャンとアニャン?ありゃ,8人になってしまいました・・・





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