『「プチ・ニコラ」大全』(74)
- Yasushi Noro
- 1 日前
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Aymar du Chatenet, La Grande histoire du Petit Nicolas Les Archives inédites de Goscinny et Sempé, IMAV éditions, 2022, p. 26-27.
「ヴァカンスの想い出」(p. 25)
ゴシニとその家族
「『プチ・ニコラのヴァカンス』は部分的には僕の想い出なんだ.それにやはり部分的にはルネの想い出でもあるね.」(サンペ)
『プチ・ニコラ』のお話にはバン−レ−メール(Bains-les-Mers)の砂浜が登場します.どの程度,実際の経験が反映されているかはわかりませんが,家族で過ごすヴァカンスといえば,それはサンペのではなく,ゴシニの想い出ということになります.
ゴシニは毎夏一家揃って,アルゼンチン東端のマル・デル・プラタ(Mar del Plata),ウルグアイ東端のプンタ・デル・エステといったリゾートで過ごしたそうです.浜辺でなければパンパ(草原).ゴシニにとってパンパは,ニコラたちの空き地(terrain vague)だったそうです.そこで馬に乗り,ガウチョ(南米草原地方のカウボーイ)ごっこをして遊んだようなのですが,これはきっと家族の伝承でしょう.そしてブエノス・アイレスの港で,ゴシニは船舶をみては,海軍の士官となることを夢見ていたとのこと.
サンペ,臨海学校の指導員となる
「サンペ家では浜辺なんて行ったことがなかった.五,六歳の頃だったかな,ある日,僕は級友に誘われて,アルカションの近くのアンデルノ−レ−バン(Andernos-les-Bains)に行ったんだ.海にも浜辺にもびっくりしたよ.泳げなかったけど水には浸かった.浜辺に来たことがなかったからね,とてつもなく日を浴びてしまった.日は当たりすぎないようにしないといけないなんて知らなかったんだ.蟹を見た時には驚きなんてもんじゃなかった.(略)親は早い時期に僕をアルカション湾のピラ〔砂丘で有名な場所〕の臨海学校や,ベアルン地方の田舎の林間学校へ入れたんだ.それで僕はスポーツ好きになったんだ.永遠と浜辺を歩いたし,ジョギングにも夢中になった.泳ぎはすごくうまかったから,競技大会に出たりもした.」(p. 25)
「年間を通して,青年育成支援事業に登録していて,その支援でヴァカンス中の施設(colonie)に行っていたんだ.サッカーもしたよ.ボルドーにいたから,行き先はアルカションだった.鉄製のベッドが設られた,木造の大きな小屋に宿泊していた.」(id.)
若く,スポーツ好きのサンペは当時16歳.免状なしの「指導者補助,水泳指導者」として,臨海(林間)学校の指導員として活動していました.こんな体験をゴシニに話して,ゴシニが脚色して『プチ・ニコラ』が生まれたというのは,説明としては理解できますな.

(p. 27. 左がゴシニ,右がサンペ.イラストは・・・どっちがどっち?!)



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