新刊情報 メンバーの編集した書籍が刊行されました
- Yasushi Noro
- 9月18日
- 読了時間: 2分
本会は主催者の怠惰から,しばらく研究会を催していませんが,日本の大学研究者たちは定期的に集まり,テクストを読み,合評会を開き,フランスの研究者を紹介し,シンポジウムを開催し・・・,と驚くほど,真面目に,真摯に,勤勉にコツコツと研究をしています.私のようなものからすると,ほんたうに驚くほどに.嫉妬混じりにそう記しておきます.
本書は関西マラルメ研究会の創立20周年を記念して開かれたシンポジウムの記録を基に編集されていますが(2025年現在,22周年となるようです),以前に紹介したセリーヌ本同様,最新の研究動向や研究者を把握できる便利さも兼ね備えています.
今の時代に「詩」を読み,真面目に取り組み,その重要性を訴えようとする人が,仏文研究者が(の中に?)こんなにいるとは.(le 18 septembre 2025, y.n.)
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坂巻康司+中畑寛之(編) 関西マラルメ研究会20周年記念論文集『詩人の場所、星々の時間』,水声社
装幀:宗利淳一(瀟洒としかいいようのない装幀なので,つい)
マラルメの過去・現在・未来
何事も起こりはしないだろう、場を除いては――マラルメの放つ光はあらゆる思考を引きつけ、渦のように邂逅し銀河を形づくる。
同時代の批評をはじめ、現代思想にまで届く詩人の光跡を丹念にたどり、その影響と彼らの布置によって浮かび上がる「場」を描き出す。


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