新刊情報 ジャン・ラシーヌ『ポール=ロワイヤル史概要』
ラシーヌの『ポール=ロワイヤル史概要』(御園敬介訳)が刊行されました.既訳はありますが,本書とはまるで別物です.豊富かつ詳細な注と解説も本当に素晴らしい.(le 19 septembre 2026, y.n.)
以下,書店のサイトからの転載です.

ジャン・ラシーヌ 御園敬介=訳
ポール゠ロワイヤル史概要
なんたる平穏! なんたる沈黙! なんたる慈愛! 清貧や節制へのなんたる愛着! 休みなく働き、たえまなく祈り、もっとも卑しく恥ずべき仕事だけを望む。若い修道女に性急なところはいっさいなく、古参の修道女にはどんな逸脱も見られない。つねに服する準備があり、言いつけはつねに理にかなっている。
フランス古典悲劇の巨匠ラシーヌが、若き日に学んだポール゠ロワイヤル修道院の改革と発展、およびそれに伴う王権や教会との軋轢の模様を、修道女や隠士らの内部資料から、静謐な筆致で描いた絶筆の歴史書。第一・第二部に異文、追記、議事録抜粋、自筆ノートを併録した新訳完全版。※既訳の、金光仁三郎 訳『ポール=ロワイヤル略史』(1989年、審美社)は古書で比較的高値となっているようです。
ポール゠ロワイヤルを知らぬ者は、人間を知らない。――ロワイエ゠コラール
ポール゠ロワイヤルの隠遁地、これは理想郷です。人里離れたその地には、キリスト教のあらゆる信心が一堂に会しており、そこから一里四方にわたって聖なる香りが満ちています。――セヴィニェ夫人
ラシーヌ氏は、その死の二日前、できたばかりの著作をある友人に託した。その友人が亡くなると、著作の行方はまったくわからなくなってしまったが、デプレオー氏〔ボワロー〕の言うところでは、それは我々の言葉で書かれたもっとも完全な歴史作品であったという。――クロード゠ピエール・グージェ
ルイ十四世とポール゠ロワイヤル。これこそが、ラシーヌの魂を動かす最後の二大原動力であった。彼は対立した両者を和解させようと望んだが、逆にその心は引き裂かれた。まさに、彼のなかでひとつの悲劇が、ひそやかに上演されていたのである。もしどうしても意を決してどちらかを選ばねばならないとすれば、おそらく彼は躊躇せずにポール゠ロワイヤル、すなわち神を選んだだろう。――サント゠ブーヴ
【訳者略歴】
御園敬介(みその・けいすけ)
1975年、神奈川県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。クレルモン゠フェラン大学人文科学研究科博士課程修了。現在、慶應義塾大学商学部教授。フランス思想史。専門はジャンセニスムとポール゠ロワイヤル。


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